インフルエンザに対してしばらく前までは、有効な薬というものは無いと考えられていました。インフルエンザはインフルエンザウイルスによって引き起こされる病気なので、ウイルスに効く薬は無いというのが常識だったわけです。
現在でも、インフルエンザの最大の対応策はきちんとした形での予防接種であることは変わりがありません。
インフルエンザは鼻からの検査でせいぜい10分程度で診断が可能であり、インフルエンザを疑った時点で(発熱から一定程度時間が経過していないと陰性になることもあると言う欠点はあるにしても)検査をすることによって診断を確定することができます。診断を確定することにどういうメリットがあるかはつまりウイルスの増殖の仕方とかヒトの体内での活動の様子が解明されるにしたがって、ウイルスの増殖に何らかの妨害をするような物質によって結果的にウイルスをヒトの体から早く消し去ってしまうような薬=抗ウイルス剤ができたということにつきます。抗ウイルス剤を使えば1日か2日で症状がほぼ消失することが明らかになってインフルエンザという病気はまず脳症や肺炎といった一部を除いて克服されたかのように見えました。
しかしながら、そこに降って沸いた問題が近年話題となったタミフルによる異常行動(特に若いヒトの)ということです。その異常行動がインフルエンザに伴うものなのかそれともタミフルによるものなのだろうかということはまだ結論が出たわけではないですし、それではタミフル以外なら絶対大丈夫ということでもありません。また最近ではタミフルに対する耐性をウイルスが持ち始めたという報告もあります。
最近は治療薬もいろいろなものがありますので、状況にあわせて使いわけることができるようになりました。いずれにせよ軽症のうちに対処することで重症化や合併症の発症を防止しておくことが重要です。